技術開発に充当、「ロボットシェアリング」早期実現目指す
物流業務効率化の新技術開発に取り組むスタートアップ企業のGROUND(東京)は8月1日、官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)やソニー系投資ファンドなど6社から総額17・1億円の資金を調達したと発表した。各社向けに第三者割当増資を実施、7月末に手続きを完了した。
調達した資金は物流施設内で人間のピッキング作業をサポートする自律型協働ロボットの開発や、ロボット運用を最適化するソリューションの確立、AI(人工知能)を生かした物流データ整備・標準化の研究などに充てる予定。
併せて、INCJベンチャー・グロース投資グループの鑓水英樹マネージングディレクターがGROUNDの社外取締役に就任。事業基盤の強化などをサポートする。
出資した企業担当者らと記念撮影に応じるGROUND・宮田氏(左から3人目)、INCJ・鑓水氏(右から2人目)ら。宮田氏の右隣はGROUNDの顧問を務める出井伸之元ソニー社長。中央はGROUNDの開発する自律型協働ロボット
東京都内のINCJ本社内で同日記者会見したGROUNDの宮田啓友代表取締役CEO(最高経営責任者)は「常に新しいロボットを使えるような環境を実現していくのがわれわれの使命。ロボットシェアリングも早期に実現していきたい」と強調した。
鑓水氏は「GROUNDは海外にもどんどん打って出ることができるプロバイダーと認識している」と語り、ロボット運用効率化のソリューションなどをグローバル展開していくことに強い期待を寄せた。
出資したのはINCJのほか、Sony Innovation Fund、サファイア第一号投資事業有限責任組合(サファイア第一号ファンド)、JA三井リース、IMM InvestmentとIMM Investment Group Japan。INCJが10億円を、他社が残りを分担した。細かい出資の内訳は開示していない。
(藤原秀行)