4万㎥、30年度までに実証実験へ
川崎重工業と子会社の日本水素エネルギー(JSE)は1月6日、世界最大の液化水素を運搬船の造船契約を締結したと発表した。
川崎重工の坂出工場(香川県坂出市)で建造。4万㎥の液化水素を運べるようにする。
JSEが事業主体として進めている、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「液化水素サプライチェーンの商用化実証」で、基地と船の間で液化水素の荷役実証、国際間の海上輸送を模した外洋条件下での実証試験を2030年度までに実施する予定。

液化水素運搬船のイメージ(プレスリリースより引用)
川崎重工は21年、世界に先駆けて1250㎥型液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」を建造するとともに、液化水素の荷役実証ターミナル「Hy touch 神戸」を建設。22年2月には同社などが名を連ねているHySTRA(技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構)が日豪間の液化水素を海上輸送・荷役するパイロット実証に世界で初めて成功していた。
本船は液化水素の供給網整備に寄与することを想定している。
JSEは本船と川崎市扇島エリアに建設中の液化水素基地「川崎LH2ターミナル」により、国際的な水素のサプライチェーン商用化に求められる性能、安全性、耐久性、信頼性、経済性などの要件を確認する商用化実証を通じて、水素の社会実装への歩みを着実に進めたい考えだ。
本船は外部からの侵入熱により気化して発生するボイルオフガス(BOG)を低減する高性能の断熱システムを採用。極低温の液化水素の大量輸送を実現できると見込む。
推進機関には従来型の油を燃料とする発電用エンジンに加えて、水素および油を燃料とする発電用二元燃料エンジンを追加搭載した電気推進システムを取り入れるほか、水素ガス圧縮機や水素ガス熱交換器から成る水素ガス供給システムを活用。液化水素用貨物タンクから発生するBOGを船舶の推進用燃料として有効利用し、液化水素輸送時のCO2排出削減を後押しする。
大量の液化水素の荷役を実現する貨物運用システムも取り入れるほか、陸上設備から船内の液化水素用タンクまで、極低温のまま効率的かつ安全に移送するために、真空二重配管を使う。
本船の概要
全長:約250.00m
幅(型):35.00m
深さ(型):20.00m
夏期満載喫水:8.50m
貨物タンク容積:約40,000㎥
推進機関:ディーゼル発電/水素発電・電気推進
航海速力:約18.0ノット
船級:日本海事協会(NK)
船籍:日本
(藤原秀行)










