貨物専用機や低温物流網など活用し地方創生後押し、ECサイト共同展開も視野
ヤマトホールディングス(HD)と食品卸大手の国分グループ本社の両社は1月15日、食品流通の効率化と基盤強化で連携すると発表した。
「持続可能な地域社会の創造に向けたパートナーシップ」を同日付で締結した。
ヤマトが持つフレイター(貨物専用機)などの物流インフラと国分の食品流通機能を組み合わせ、地域の特産品を迅速かつ効率的に全国の消費地へ届けられるようにして販売促進につなげるほか、地域エリアの「買い物難民」支援にも注力する。
両社は取扱量を増やして収益基盤強化を図るとともに、少量だったり消費期限が短かったりしてこれまでなかなか広い地域で流通させられなかった名産品の消費を促し、地方の生産者をサポートして地域活性化にもつなげていきたい考え。
東京都内で同日、記者会見したヤマトHDの長尾裕社長は「わが国の安定的な食の供給や海外への輸出による地方創生にも大きく貢献していきたい。あらゆる経営資源を活用し、運ぶだけでなくプロセスセンターのような新たな付加価値を両社で提供していきたい」との見解を表明。
国分の國分晃社長は「当社の食品流通の知見や地域ネットワークと、ヤマトさんの日本全国を網羅する強固な物流インフラや現場力の両輪を掛け合わせることで食のサプライチェーン全体を強靭化し、地域社会に新たな価値を提供できると考えている」と意義を強調した。

会見後の撮影に応じる(左から)国分グループ本社の山崎佳介取締役常務執行役員、國分社長、ヤマトHDの長尾社長、ヤマト運輸の恵谷洋取締役副社長執行役員
両社はヤマトグループ専用のフレーターやヤマトの低温物流網を生かし、地方の名産品を最短で収穫の当日に都市部の消費者へ届けることを想定。
また、人口減少が続く地域でヤマトが国分グループから商品や生活必需品を受け取り、ヤマトの営業拠点で販売したり、移動販売を実施したりして生活の利便性を損なわないようサポートする。
ヤマトの営業拠点の空いた時間を有効活用し、生産者からの商品を集約・一時保管や加工、発送の拠点として運用したり、消費地に近いヤマトの営業拠点で水産品の仕分けや加工などを手掛けたりすることも検討する。
その一環として、三井不動産とJR貨物が共同で開発した、国内最大の青果卸売市場・大田市場に近接している物流施設「東京レールゲートWEST」(東京・品川区)の中にヤマトが構えている物流拠点の一部を国分が賃借し、青果用プロセスセンターを設け、迅速に消費地へ出荷できるようにすることを準備している。
このほか、ヤマトの宅配機能を生かし、各地の伝統野菜や食品などのECをサポートする方向で調整しており、両社でECサイトを共同で開設することも視野に入れている。
(藤原秀行)











