【現地取材・動画】工具類の「自販機」設置で製造現場の管理負荷を大幅削減

【現地取材・動画】工具類の「自販機」設置で製造現場の管理負荷を大幅削減

ミスミのサービス導入した東京・墨田の石井精工がデモ公開

ミスミグループ本社は4月23日、保守やメンテナンスなどに使う手袋、工具、マスクといった間接材を効率的かつ安価に調達できるようサポートするサービス「MISUMI floow(フロー)」に関し、ゴム成形用金型を手掛ける石井精工(東京都墨田区八広)の導入事例を現地で公表した。

同サービスは工場に間接材を収めた自動販売機を設置し、従業員らが必要に応じて取り出せるようにするなど、現場で必要な物を必要な数だけ迅速に調達できるよう配慮している。誰がどれだけ、どのタイミングで工具などを取り出したかのデータを蓄積できるため、適切な発注につなげたり、使用量の適正化を図ったりすることが可能。



在庫管理や現場の自販機への補充はミスミが担い、ユーザーの製造業の負荷を極力抑えている。中国と日本で約800カ所の工場が採用、約2500台の自販機が稼働している。石井精工でも担当者が金型製造に不可欠な工具類の煩雑な管理業務から解放され、現場の生産性が大きく向上するなどの効果を得られているという。

ミスミは自販機に関し、引き出し(ドロワー)にして、サイズが小さくて細かい部品を取り出しやすくしているタイプの提供を4月に始めており、石井精工が初めて採用した。この日は自販機から部品などを取り出すデモを公開した。


ドロワータイプの自販機の画面を操作して必要な工具などを選択


欲しい工具などが入っている棚が自動的に空く


目的の物を取り出す


画面で「確認」すれば取り出した部品などのデータを蓄積



石井精工は1959年創業。従業員12人で自動車や医療機器、半導体関連製品などに用いるゴム製品の形を取る金型の設計・製造を担っている。石井精工の石井洋平取締役統括マネージャーは金型製造企業の8割以上が従業員20人未満の中小企業と指摘し、「人が担うべきところにどれだけ人を集中させられるかが業界の課題。AIやDXに任せられるものは任せていく必要がある」と述べた。

その上で、切削工具など間接材の管理をいかに効率化するかが石井精工でも課題になっていたと説明。設計担当が本来の設計業務に加えて工具類の管理を担っていたため、負荷が大きくなっていたと回顧した。また、発注数を間違えたり、管理担当が不在の場合は必要な工具の調達が遅れたりといったことも起きていたという。

ドロワータイプを採用した結果、石井精工の従業員は申請なしですぐに必要な工具などを手に入れられるようになり、設計担当も煩雑な管理業務から解放され本来の仕事に集中できるようになるなど業務の効率が大幅に改善。工具の購入費用も従来比で10%超抑えられているという。

石井氏は、工具などを調達する際、自販機の操作画面に単価が表示されるため、従業員のコスト意識醸成を後押ししていると解説。今後の要望として、操作画面で指示するのに加えて作業指示書のバーコードをスキャンすれば自販機で使用予定の工具を収めている引き出しが自動で開くようにする機能の追加などを挙げた。

デモに同席したミスミFactory-MROビジネス・ハブ執行役員の大内郁浩氏は「欠品は許されないという管理のメンタルコスト(精神的な負荷)の解放にもつなげられている」と指摘。ドロータイプの採用拡大にも期待を示した。


導入の狙いを説明する石井氏



(藤原秀行)

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