主要3方式全てをカバー、海運業界の低・脱炭素化に貢献
大阪ガスは5月14日、JFEスチール西日本製鉄所(広島県福山市)で4月21日に、大阪ガスとしては初めて、海上で船舶から別の船舶へ直接供給する「Ship to Ship方式」による船舶向けLNG(液化天然ガス)の燃料供給(LNGバンカリング)を開始したと発表した。
貨物の積み降ろし作業を行っているLNG燃料船に対し、LNGバンカリング船「SETO AZURE」(セト アズール)からLNG燃料を海上で供給している。
既に実施している、陸上からの「Truck to Ship方式」「Shore to Ship方式」に加え、主要な3方式の全てで船舶向けLNG燃料供給が可能になった。
LNG燃料は、重油と比べてCO2排出量を約30%削減できるため、環境負荷を抑えた船舶燃料として世界的に注目度が高まっており、LNG燃料船の隻数は世界的に増加傾向にある。その半面、日本国内はLNG燃料を船舶へ安定的に供給するための設備や体制の整備が需要に追い付いていなかった。
大阪ガスは陸上からの供給だけでなく、海上から直接燃料を届ける方法を含めた複数の供給方式を整えることで、LNG燃料供給の選択肢を広げ、安定供給を実現したい考え。
Ship to Ship方式は岸壁に着いていない場合や、錨を下ろして停泊している場所でも対応できるため、供給の場所やタイミングの自由度が大きく広がるのがメリット。貨物の積み降ろし作業と並行して燃料を補給できることから、LNG燃料船の運航に影響を与えない点もアドバンテージとなっている。
<LNGバンカリング3方式の概要>
|
供給方式 |
概要 |
|
Truck to Ship方式 |
岸壁に停泊中のLNG燃料船に対し、岸壁に駐車したLNGタンクローリーからLNG燃料を供給する方法。設備の整っていない港でも対応しやすい。 |
|
Shore to Ship方式 |
岸壁や桟橋に停泊中のLNG燃料船に対し、陸上のLNGターミナルなどから直接燃料を供給する方法。大量供給に適している。 |
|
Ship to Ship方式 |
LNGバンカリング船がLNG燃料船に横付けし、海上で直接燃料を供給する方法。岸壁だけでなく、海上で停泊している船舶にも対応でき、作業と並行した供給が可能。 |

岸壁・陸上設備・海上からの供給に対応する、LNGバンカリング3方式のイメージ図
「SETO AZURE」は、大阪ガス関係会社の大阪湾LNGシッピングが保有している。今後は大阪湾・瀬戸内エリアを中心に運航し、柔軟で安定した船舶向けLNG燃料供給を支えていく構え。
|
船名 |
SETO AZURE(セト アズール) 瀬戸内海を意味する「SETO」と、青い海を意味する「AZURE」を組み合わせ、美しい瀬戸内海のイメージを表現。 |
|
全長 |
86.29m |
|
全幅 |
17.60m |
|
総トン数 |
約 4,350トン |
|
LNGタンク方式 |
IMO 独立タンク TYPE C方式 |
|
LNGタンク容量 |
約 3,610m3 |
|
推進方式 |
電気推進(LNG/重油デュアルフューエルエンジン) |
|
船主 |
大阪湾LNGシッピング株式会社 |
|
造船所 |
下ノ江造船株式会社 |
(藤原秀行)※いずれも大阪ガス提供















