UDトラックス・酒巻社長、地元企業などとも連携に前向き
UDトラックスの酒巻孝光社長は8月29日、北海道斜里町で実施した国内初のトラックによるレベル4(限られたエリア内が対象)の自動運転実証実験後、ロジビズ・オンラインの取材に応じた。
酒巻社長は、レベル4のトラック自動運転を早ければ2020年に商業化するとの目標を掲げていることに関し、地域振興の観点からも早期に達成したいとの意向を強調。今回実験した斜里町に加え、北海道では他のエリアでも並行して自動運転の実現に取り組み、農業や畜産業などの産業支援貢献を目指す可能性を示唆した。
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実験後に現地で記者会見する酒巻社長
酒巻社長は「人手不足を解消する手立てをだれしもが求めている。実際に(物流現場などで)そうした課題に直面している方々からもできるだけ早く(実現してほしい)との思いを伺っている。まずは小さい領域かもしれないが、第一歩を踏み出していきたい」と語り、自動運転への強いニーズを踏まえ、最初の成功例を早期に確立することに強い意欲を示した。
併せて、「(地域振興の観点も)もちろん重視していく」と明言。物流事業者のほか、今回の実験に参加したホクレン農業協同組合連合会のように、地域の企業や団体などとも連携して実証実験を重ねていくことに前向きな姿勢を見せた。
今回の実験はルートの一部で、日本で初めて公道をレベル4で自動走行したことについては、関係省庁との調整などの経験が得られ、実施に困難は伴ったものの非常に貴重だったと説明。レベル4は限定した領域で行うことを前提としているが、自動運転トラックの実用化へ経験を反映させていきたいとの思いを明らかにした。
今回の実験の舞台となった斜里町以外にも北海道で同時並行的にレベル4の自動運転を展開していく可能性については「もし余裕があればやってみたい」と語った。
(藤原秀行)