ヤフーがTOBでZOZO買収へ、前澤社長は退任

ヤフーがTOBでZOZO買収へ、前澤社長は退任

EC事業の基盤強化狙う、取得総額は最大約4000億円の見通し

※今朝8時半に配信した記事を差し替えました

ソフトバンクグループのヤフーとアパレル通販大手ZOZOは9月12日、資本・業務提携で合意したと発表した。ヤフーがZOZOに対し、10月上旬をめどにTOB(株式公開買い付け)を実施、株式の50・1%を取得して買収することを目指す。買収完了後もZOZOは上場を維持する方向で、取得総額は最大約4000億円の見込み。

ZOZOもTOBに賛同しており、前澤友作社長は同日付で取締役を辞任、経営の一線からは退く。後任の社長にはNTTデータ出身の澤田宏太郎取締役が昇格した。

ZOZOは同日、前澤氏退任の理由について「当社が今後新たな資本関係においてさらに飛躍する上で最適な後任者に経営を託すため」と説明している。両社は同日夕、東京都内で川邊健太郎ヤフー社長や前澤氏らが出席して記者会見を開き、買収の狙いなど詳細を発表する予定。前澤氏はZOZO創業者として同社株の約36%を保有しており、TOBに応募する方針という。

ヤフーはEC(電子商取引)の取り扱い規模拡大を目指している。アマゾンジャパンや楽天などとの競争が激しい中、20~30代の顧客が多いZOZOを傘下に収めてEC事業の基盤強化を狙う。ZOZOもヤフーの力を借り、アパレル通販の成長を持続させたい考えだ。

業務提携に伴い、ヤフーのポータルサイトからZOZOのECサイトへユーザーを誘導したり、ZOZOのECサイトでソフトバンクとヤフーが展開しているスマートフォン決済「PayPay」を利用できるようにしたりすることを検討する。

(藤原秀行)

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