大和ハウス工業、23年春までに物流施設開発へ総額5000億円超投資を計画

大和ハウス工業、23年春までに物流施設開発へ総額5000億円超投資を計画

首都圏中心に35棟、290万平方メートル見込む

大和ハウス工業は9月17日、2023年春までに先進的な物流施設の開発へ総額5000億円超を投資する方針を明らかにした。

インターネット通販の成長などを受け、今後も高機能な物流施設の需要が底堅く見込まれると展望。都市部と地方エリアの双方で物流事業者や荷主企業のニーズを細かく見極め、開発を進めていく構えだ。

現状では首都圏を中心に、23年までに35棟の開発を計画。面積は合計で約290万平方メートルを見込む。同社が従来軸としてきた特定のテナント企業向けのBTS型に加え、さまざまな企業が利用可能なマルチテナント型にも注力していく方針。

シービーアールイー(CBRE)によれば、今年4~6月の首都圏の大規模マルチテナント型物流施設の空室率は2・7%と、同社が調査を開始した04年第1四半期(1~3月)以降で最低となった。完成から1年以上経過した物件に絞ると0・6%と記録的な低水準を記録した。

旺盛な需要を踏まえ、デベロッパー各社は物件開発を積極的に推進しており、19年の首都圏での新規供給は200万平方メートル規模に達すると見込まれている。大和ハウスは差別化のため、AI(人工知能)やロボットといった先進技術の活用などを図り、今後もテナント企業の物流効率化や人手不足を受けた就労環境改善の支援にまで踏み込んでいく考えだ。近年ニーズが高まっている冷凍・冷蔵倉庫対応にも力を入れる。


大和ハウス工業が千葉県流山市で開発を進めている「DPL流山Ⅳ」の完成イメージ(同社提供)。延べ床面積は32万平方メートル超と同社最大規模のマルチテナント型施設となる予定

(藤原秀行)

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