かんぽ生命不祥事で反発強く、実施は21年以降にずれ込みも
日本郵便や総務省が2020年にも実現を目指していた、普通郵便物の土曜日配達廃止が先送りされる公算が大きくなっている。日本郵政傘下のかんぽ生命保険が商品を不適切に高齢者らへ販売していたことが発覚、日本郵政グループへの風当たりが非常に強くなっているためだ。
土曜日の配達廃止は、日本郵便が郵便利用減少や配達員不足に対応するため、翌日配達の廃止などとともに要望。総務省の審議会も一連のサービス内容見直しを承認していた。
同省は日本郵便の意向を踏まえ、10月4日召集の臨時国会へ郵便法改正案を出す方向で準備してきたが、同1日に政府が衆参両院の議院運営委員会へ伝えた提出予定法案の一覧に同改正案は含まれていなかった。
総務省は状況を見ながら引き続き同改正案提出のタイミングを探る構え。ただ、不適切販売はいまだ全容が明らかになっておらず、今後の展開次第ではさらに日本郵政グループへの批判が高まる可能性も否定できないことから、郵便のサービスレベル低下につながる同法改正案を提出するのは現状では困難な情勢だ。
提出時期は2020年の通常国会に変更となるのが濃厚となっており、先送りされれば、土曜の配達廃止は21年以降にずれ込むとみられる。その場合、日本郵便は現場業務の新たな負担軽減をさらに強いられそうだ。
(藤原秀行)