事業用資産の買い換え特例、設備投資促進へ3年延長「何としても勝ち取りたい」

事業用資産の買い換え特例、設備投資促進へ3年延長「何としても勝ち取りたい」

不動産協会・菰田理事長が倉庫などへ活用の実績を説明、実現に強い決意

不動産協会の菰田正信理事長(三井不動産社長)は11月12日、東京都内で開いた理事会後の定例記者会見で、2020年度の税制改正要望に盛り込んだ「長期保有土地等に係る事業用資産の買い換え特例の延長・拡充」の実現を目指し、引き続き他の経済団体と連携しながら政府・与党など関係方面に働き掛けていく姿勢を強調した。

買い換え特例は、国内で10年以上保有している土地や建物などを譲渡し、国内にある別の300平方メートル以上の土地や建物などに買い換えた場合、譲渡益の8割の部分は課税を将来に繰り延べられる制度。譲渡、買い替えのいずれの資産も事業用であることなどが条件。企業の設備投資を促して新技術創出につなげていく狙いがあり、20年3月末までが適用期限となっている。

同協会は要望の中で、適用期限を3年間延長するとともに、中小企業が持つ土地なども対象に含まれるよう「300平方メートル以上」の要件を見直すことを提唱している。

菰田理事長は、14~18年に買い換え特例を利用して資産を取得、倉庫として運用している事例が30件以上あることなどを紹介。「製造業の設備投資に若干陰りが出てきているように見える。不稼働の資産を有効活用していくことと事業再編などによる新たな設備投資を促進、支援していくことが非常に重要」と指摘した。

その上で「税制が果たす役割は大きい。3年延長や拡充は何としても勝ち取りたい」と強調した。


会見に臨む菰田理事長
(藤原秀行)

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