自動運転のトラック隊列走行、高速道の円滑な合流へ20年度に実証実験

自動運転のトラック隊列走行、高速道の円滑な合流へ20年度に実証実験

国交省戦略本部で報告、悪天候時の対策検討も

国土交通省は11月22日、東京・霞が関の同省内で、自動運転戦略本部を開催した。

政府が掲げている「高速道路で2020年をめどにレベル3(条件付きで運転自動化)の自動運転」などの目標達成に向け、同省で今後、基準や制度の整備などを進めていく方針を確認。その一環として、トラックの隊列走行を商業化していくため、高速道路の分合流部で他の車の障害とならず円滑に本線へ合流したり、本線から出たりできるようにするための実証実験を2020年に行うことを報告した。

また、トラックの隊列を形成したり切り離したりするスペースを備えた物流拠点を高速道路周辺に整備していくことなどもあらためて打ち出した。

赤羽一嘉国交相は参加した各部署の幹部らに「(自分の部署だけでなく)他の領分に踏み込んで意見を言うことが安全の確保にもつながる」と語り、部署の垣根を越えて連携して制度設計などを進めるよう指示した。


自動運転戦略本部で指示する赤羽国交相

全国で行われている自動運転の実験の結果、車に取り付けた自動運転用のセンサーが濃霧や雪などの場合に性能が落ちたり、山間部ではGPSの精度が低下したりする問題が確認されたという。対策として、センサーの機能向上や悪天候時の運行中止、道路に磁気マーカーを敷設してGPSの精度向上といったことを今後検討していくことも示された。

さらに、20年に実現する自動運転の姿として、本線に入ってから自動運転を開始し、終了も本線上で実施するとの流れを想定していることを示した。

(藤原秀行)

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