ヨコレイの現・次期社長がそろって認識表明
横浜冷凍(ヨコレイ)は11月29日、横浜市内の本社で、メディア向けに2019年9月期決算説明会を開催した。
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12月20日の定時株主総会とその後の取締役会を経て退任する予定の岩渕文雄社長と、次期社長昇格が内定している松原弘幸取締役冷蔵事業本部長がそろって出席。両氏は今後の事業戦略として、冷蔵倉庫事業を強化していくことが必要との認識をそろって示し、松原氏は引き続き先進的な冷凍冷蔵倉庫の整備に注力する構えを見せた。
説明会後、撮影に応じる岩渕現社長(左)と松原次期社長
岩渕社長は自社の中核を占める冷蔵倉庫、食品販売の両事業に言及し「令和に入ってこれだけ日本中で(冷凍冷蔵を要する)荷物が多くなり倉庫が満杯になる半面、食品自体が売れなくなったのは、日本も15年から人口減少の時期に入り、20年から25年にかけて200万から250万人ほど減るとみられている」と分析。
「よそから買ったものを売るトレーディング(が軸)の時代が終わり、自社で(養殖などで)育てて販売するという時代になっていくのではないか。方針を変えていかないといけない」と指摘し、冷凍冷蔵倉庫の整備が引き続き不可欠になるとの見方を示した。
松原次期社長は「当社は(先進的な冷凍冷蔵倉庫など)武器をものすごくいろいろ持っているにもかかわらず、有効に組み合わせてうまく機能をさせることができていない部分がまだまだあるのではないか。そのへんを変革することを積極的にやってみたい」と抱負を述べた。
冷凍冷蔵倉庫の整備に関しては「当社は年間100億円以上の投資を続けており、株主の方からはそろそろ(成果の)刈り取りに入った方がいいのではないかとの質問もあった。ただ、業界の環境としてはまだまだフロン全廃や施設老朽化の問題が解決されていない。9割が中小企業でどんどん建て替えていくのは財政面から厳しいという環境が全く変わっていない」と指摘。
「当社もまだ冷凍冷蔵倉庫全体の1割にも満たないシェアしか取れていない。これだけ食の安全・安心を求める声が強い中、お客さまのニーズとしてはきちんと衛生・管理された最新鋭のものが欲しいということなので、需要は国内にまだまだあると思う」と語り、最新鋭の機能を持つ冷凍冷蔵倉庫の開発に意欲をのぞかせた。
(藤原秀行)