ゼブラ・テクノロジーズのグローバル企業幹部意識調査
産業現場向けデバイス大手、米ゼブラ・テクノロジーズの日本法人ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンは12月2日、東京都内の本社で記者会見し、グローバルで実施した「未来の倉庫業務に関する調査2024」の結果を公表した。
製造業など主要企業の幹部の多くは、倉庫業務を完全自動化するよりは、作業スタッフのパフォーマンス向上を実現することを重視している傾向にあることが明らかになった。また、回答者の2割が2024年までに在庫管理や出荷梱包など各業務でロボットを活用すると予想している姿が示された。
同社の古川正知社長は「倉庫業務の近代化に向け、多くの企業がワークフローの最適化を推進しつつ、個人とチームの生産性向上を目指していることが明らかになった。eコマースの台頭によるニーズ拡大に伴い、倉庫業務は変革を迫られている。テクノロジーを導入することで、人力によって支えられている従来型倉庫ほど大幅な効率改善が期待できる」との見解を示した。
調査結果からは、庫内スタッフの負荷軽減や生産性向上につながる各種デバイス類が引き続き、注目される可能性を示しているといえそうだ。
調査はゼブラ・テクノロジーズが米調査会社を通して聞き取りで実施。製造業や運輸、物流、小売・卸売りなどの業界でIT運用に関する決定権を持つ企業幹部1403人が協力した。エリアは北米、中南米、アジア大洋州、欧州となっており、日本からは50人程度が参加した。
「24年までに人の手が介在するテクロノジー導入予定」が6割
有効回答者のうち、「エンドユーザーへの配達時間短縮が成長計画を推進する上で最も重要な要因である」を選んだのは46%に上ったほか、「作業員の雇用や業務の効率化、生産性向上が優先課題」を選択したのも60%に達した。さらに、「競争力を高めるために新しいテクノロジーへの投資を計画している」と回答したのは80%となった。こうした意識が倉庫の自動化を推進する要因となっている実態をうかがわせた。
実際の計画としては「24年までに人の手が介在するテクノロジーを導入予定」とした回答者が61%となった半面、「24年までに完全自動化の採用を計画」と認めたのは27%で大きく差が開いた。
倉庫業務において必要なこととしては、「完全自動化」は16%にとどまった一方、「部分的な自動化(一部人の手を介在)」が39%、「人間拡張の活用(デバイスによる作業員の能力強化)」が34%と対照的だった。
(藤原秀行)