日本郵便と連携を検討、20年開始視野
アマゾンジャパンが、ユーザーが指定した玄関先などの場所に商品を届ける「置き配」サービスを全国展開する方向で調整を進めていることが分かった。
既に東京や大阪、福岡など全国30都府県で希望者を対象に展開しているが、再配達抑制の効果が確認できるとして、対象エリアを一層広げる準備を進めているもようだ。
アマゾンが自前の配送網を持たないエリアは日本郵便の協力を得ることを目指しており、2020年の全国展開開始を視野に入れて、同社と調整を続ける構えだ。
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アマゾンの置き配は今年2月にスタート。専用のスマートフォン用アプリを介して玄関先やメーターボックス、自転車のかごなどの中から選ぶと、利用者が在宅、不在のいずれの場合でも荷物が置かれる流れだ。
希望すれば、配達完了したことを証明する写真を撮影して利用者に送るほか、商品が盗まれたりした場合に備えた補償も用意している。再配達を削減できる上、対面で手渡さなくても済むことなどから、配達を担当する運送業者の負荷も減らせるのがメリットだ。
日本郵便は今年3月、宅配大手3社の中で初めて、独自の置き配サービス「e受取チョイス」を開始した。日本郵便とアマゾンは11月に広島で置き配の共同実証実験も行っている。
ただ、アマゾンと日本郵便の置き配サービスは、両社で商品を届けられる場所が一部異なるなど、連携に向けては課題もあるため、引き続き共同で実施できるかどうか検証を続ける見通しだ。
日本郵便は12月5日、置き配に関し「再配達削減に非常に効果があることから、アマゾンと早期の(連携)実施に向け前向きに検討している。まだ決定した事実はない」とのコメントを発表した。
(藤原秀行)