JILS・遠藤会長、2030年に向けロジスティクスの全体最適実現に決意

JILS・遠藤会長、2030年に向けロジスティクスの全体最適実現に決意

IT積極導入で働き方改革にも貢献

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の遠藤信博会長は1月10日、東京・大手町の経団連会館で賀詞交歓会を前に、年初恒例の記者会見を行った。

2030年を視野に入れた今後10年間の課題として、ロジスティクスの全体最適を実現していくことを強調。ITを積極的に導入し、輸送効率向上によるトラックドライバー不足カバーなどの業務効率化や労働負荷軽減といった課題解決を推し進めていく決意を表明した。


会見に臨む遠藤会長

遠藤会長は「次の10年間でいろいろな技術を含めて大きな変化があると思う。東京オリンピック・パラリンピックや大阪万博といったイベントも予定されている。(経済・社会の)基盤を成すロジスティクスについて、大きな改善を含めた方向感を作っていきたい」と抱負を述べた。

国内の営業トラックの平均積載率が40%程度にとどまるなど、依然効率化を図る余地は大きいと指摘。「これまでの改善は部分最適型だったのが、これからはもう少し広い範囲で物事を見て、全体最適で答えを作ることを、10年先を見越して考える必要がある」との見解を示した。

JILSがこのほど取りまとめた、30年に向かって目指すべきロジスティクスの姿を提案した「ロジスティクスコンセプト2030」に言及。「ITはいろいろな(生産性などに関する)指標を改善するのみでなく、働き方そのものを変える可能性が非常に高い。これは大きな挑戦であり、まさに力を入れていかないといけないところだ」と訴えた。

併せて、「業際を超えたデータの持ち方が非常に重要になる」などと語り、物流に関する諸データのデジタル化によるビッグデータ活用につなげていく必要性をアピールした。

同席した渡邉健二副会長(日本通運会長)は、サプライチェーンの運営改善を果たすため、高度な数理を身に付けた人材の育成を図る重要性をPRした。橋爪茂久専務理事は、課題解決をサポートする場として今年2月に開催する「国際物流総合展2020-INNOVATION EXPO-」を積極的に提案する構えを見せた。

(藤原秀行)

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