“収益物件”として着実に成果
ロジビズ・オンラインはこのほど、運用するポートフォリオに物流施設を組み入れているJリート17投資法人を対象に、直近の決算資料を基に各施設の稼働状況を集計した。
トータルで386の物流施設を運用している投資法人ごとの平均稼働率は99・8%に達し、ほぼ100%に相当。高稼働の状態が続いていることが明らかになった。物流施設は中長期的に安定した収益を生むアセットとして国内外の投資家から注目を集めている。Jリートで運用されている物流施設は現状では収益物件として着実に成果を挙げているといえそうだ。
ロジビズ・オンラインでは近く、17投資法人が保有する物流施設の詳細データを取りまとめ、公開する予定。
案件多数でも好調キープ
集計対象とした投資法人は、物流施設に特化して投資しているタイプと、多様なアセットの一環として物流施設も手掛けているタイプの両方が含まれる。最も多くの物流施設を運用しているGLP投資法人は直近の2019年8月期で75施設に上り、平均稼働率は99・9%と驚異的な水準だった。
次いで66施設の大和ハウスリート投資法人(19年8月期)はほぼ100%、48施設の日本ロジスティクスファンド投資法人(19年7月期)は99・9%、46施設の産業ファンド投資法人(19年7月期)は100%、42施設の日本プロロジスリート投資法人(19年5月期)が99・7%と、多くの案件を抱えていても稼働の好調さをキープしている実情が浮き彫りになった。いずれの投資法人も有力なデベロッパーが物件供給のスポンサーとなっている点が大きい。
先進的な物流施設は大量供給が続き、不動産業界などでは需給のバランスが崩れることへの懸念が根強い一方で、eコマースの成長が引き続き見込まれることなどから需要は当面好調との見方も多い。Jリートで運用される物流施設が今後も高稼働率をキープできるかどうかが注目される。
(藤原秀行)