全体の6%、ルールには合致も着実な実施などに懸念残る
政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを目指す「ホワイト物流」推進運動に賛同した企業・組合・団体が提出した自主行動宣言は今年1月末時点で812に達した。
ロジビズ・オンラインが製造業、運輸・郵便業、卸・小売業の主要3業種で各社が提出した宣言に関し、取り組む方針を打ち出した項目を確認した結果、48社が運動に参加する意思は表明しているものの詳細を公表していないことが分かった。3業種の企業など計754のうち6%程度に上る。
運動の旗振り役を務める国土交通省などは、運動は自主的なものとして、詳細を開示しないことを認めており、ルールには合致している。ただ、国交省などが取り組む内容を自主行動宣言として発表する意義として例示しているポイントのうち、詳細を非公開としている場合、「物流改善の着実な検討・実施」や「投資家からの評価向上」、「社会的評価向上」といった点で効果を挙げられない懸念が残るだけに、今後は詳細の公表が進むことが期待される。
1月末で宣言を提出したのは製造業が293、運輸・郵便業が375、卸・小売業が86。このうち、宣言で取り組む項目を公開していないのは製造業が15、運輸・郵便業が26、卸・小売業が7となっている。主要企業ではパナソニックやデンソー、NEC、京セラ、カシオ計算機、アルプス物流、三井食品、三菱食品などの名前が並んでいる。
(藤原秀行)