緊急事態宣言下で滞留回避
国土交通省と東京都は4月16日、新型コロナウイルスの感染拡大下で物流機能を維持していくため、物流事業者や港湾事業者らに対し、東京港のコンテナターミナルから貨物を早期に搬出するよう文書で協力を要請した。
文書は国交省の髙田昌行港湾局長と都の古谷ひろみ港湾局長の名義で発出。政府の緊急事態宣言発令により、首都圏の一部店舗や工場などの営業が停止すると「輸入貨物の搬出先で適切な受け入れ態勢が確保されない場合には、コンテナターミナルからの輸入貨物の搬出がこれまで以上に停滞することが懸念される」と指摘している。
その上で、「ヤード内に輸入貨物が滞留して蔵置場所が確保できなくなり、さらなる輸入貨物の受け入れが困難となる恐れがある。このような事態となった場合は、医療や生活に必要な物資などの受け入れに支障を及ぼす」と危機感を表明。全ての貨物を対象に、無料保管期間(フリータイム)を延長せず早期に搬出することや、フリータイムを超えてコンテナヤードに留置された場合の超過保管料(デマレージ)を適正に運用することなどを要請、長期蔵置に歯止めを掛けるよう協力を求めている。
(藤原秀行)