経産省が「物流MaaS」実現へ勉強会の意見取りまとめ
経済産業省は4月20日、トラックメーカーや物流企業の幹部らが参加し、トラックの運用効率化や自動走行実用化などを総合的に推進するための方策を議論する「物流MaaS勉強会」(座長・石田東生筑波大名誉教授)の意見取りまとめを公表した。
物流業界が抱える人手不足やデジタル化の遅れ、環境対応強化といった課題をトラックの側面からいかに解決をサポートしていくかにフォーカス。幹線輸送や倉庫、支線配送のそれぞれで実現すべき将来像を描くとともに、トラックメーカーとして取り組む方向性を打ち出した。
具体策として、個々のトラックの運行情報を一元的に管理できるデータ連携の仕組み構築、運送事業者と荷主がトラックの積載状況を共有した上で混載の推進、EV(電気自動車)トラックの効率的な運用方法確立などを挙げた。
経産省は今回の意見取りまとめをたたき台として、国土交通省や物流業界、トラックメーカーなどと共同で輸送効率化を実現していきたい考え。
意見取りまとめは、将来像として、幹線輸送は自動運転トラックの隊列走行やダブル連結トラックによる輸送量増大、倉庫などの「結節点」ではベース予約システムの活用や荷役自動化などによるシームレスな積み替えの実現、支線配送(域内~末端)では共同配送の促進やEVトラック活用、最適ルート考案などの最適輸配送実現をそれぞれ描いている。
それぞれの姿を実現するため、中小事業者らの業務のデジタル化を促進し、トラックの運行に関する各種情報をメーカーや物流事業者らが共有できる体制を構築することを提言。架装や積み荷の情報を標準化し、関係者間で迅速に共同配送の参加企業をマッチングして混載ができるような環境も整備することも提案している。
さらに、EV普及を踏まえ、電力料金が安価な時間帯に充電するなど、より経済的で効率的なEVトラックのオペレーションを構築することも重要との見解を示した。
(藤原秀行)
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