【新型ウイルス】1~3月の法人企業統計、運輸・郵便業は営業利益が9割減

【新型ウイルス】1~3月の法人企業統計、運輸・郵便業は営業利益が9割減

コロナ感染拡大が影響か

財務省が6月1日発表した2020年1~3月期の法人企業統計(速報)によると、金融・保険業を除く全産業ベースの売上高は前年同期比3・5%減の359兆5572億円で、3四半期続けて前年実績を下回った。

営業利益も33・9%減の12兆8854億円、経常利益は32・0%減の15兆1360億円でともに4四半期連続の減少。新型コロナウイルスの感染拡大で宿泊業などのサービス業の経営が悪化していることが響いた。

 
 

運輸・郵便業を見ると、売上高は4・8%減の15兆973億円、営業利益は91・9%減の410億円、経常利益は88・5%減の594億円と利益の急落が際立った。新型コロナウイルスの感染拡大による物流の取扱量減少が影響した可能性があるが、全産業や非製造業の平均を大きく上回る減少幅となった理由は不明。

一方、資金関連の項目を見ると、金融・保険業を除く全産業ベースで短期借入金の期末残高が11・9%増えており、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済悪化で企業の間に手元資金を厚めに確保しようとする動きが広がっていることをうかがわせた。

今回は新型コロナウイルス感染の影響で企業からの調査票回収が進まなかったため、財務省は7月末をめどに同調査の確報値をあらためて公表する予定。

(藤原秀行)

災害/事故/不祥事カテゴリの最新記事