10数人が取り下げや返還に応じず
日本郵便とかんぽ生命保険は6月12日、新型コロナウイルスの感染拡大で収入が落ち込んだ個人事業主らを救済するために政府が支給する「持続化給付金」を、郵便局の両社社員約120人が不正に申請していたことを明らかにした。
両社の生命保険不正販売問題による営業自粛の影響で減った収入を補おうとしたとみられ、日本郵便が約100人、かんぽ生命保険が約20人に上る。新型コロナとは直接関係がない理由のため、両社は当該社員に申請の取り下げや既に受け取った給付金の返還を求めているが、現時点で10数人が応じていないという。社員の問題行為を正せない両社の企業統治の在り方にも批判が集まりそうだ。
持続化給付金は、個人事業主や中小企業が今年1月以降、前年同月より売り上げが半分以上減った月が1カ月あった場合に対象となり、最大100万円を支給している。
郵便局で保険商品の営業を担当している社員は、自社の給与所得と併せて、保険契約成立に応じた営業手当を事業所得として受け取っており、確定申告している。営業自粛で所得が落ち込み、収入減の条件に該当することから便乗した不正申請を思いついたもようだ。
(藤原秀行)※写真はイメージ