14・9%に、事業者の労働178時間削減と推計
LIXILは6月24日、東京の江東、江戸川の両区で戸建て住宅の約100世帯を対象に行った、IoT(モノのインターネット)を活用した宅配ボックスによる再配達削減の実証実験結果を公表した。
実験は2019年2月~20年3月、日本郵便や佐川急便、江戸川区で宅配クリーニングを展開しているアクティーズの協力を得て実施。受け取り荷物の総数に占める再配達の割合が19年3~4月の41・7%から同11月~20年1月には14・9%まで低下。その結果、宅配事業者の労働時間は約178時間、CO2排出量も約379キログラム削減することができたと推測している。
IoTを活用した宅配ボックスは、荷物が届くとユーザーのスマートフォンに通知。ポストに設置したカメラを通じ、宅配業者が荷物を収めたりする場面をリアルタイムで確認できるほか、スマホを介して宅配業者への集荷依頼も可能だ。
実験では宅配事業者やクリーニング店と連携し、QR コードでパスワードを取得すればユーザーの応対がなくても複数の荷物を宅配ボックスに投函できるサービスや、クリーニングの集配サービスなどIoTを活用することで可能となる新たな社会サービスの実現性に関しても検証した。
実験に参加したほぼ全てのユーザーで、宅配の荷物受け取りに関するストレスの改善が見られたほか、約8割がIoTの機能に便利さを感じ、荷受け通知などIoT機能を頻繁に使ったユーザーほど再配達削減に貢献していることなどが明らかになった。
また、QRコードを使った複数の荷物の受け取りについて「自分で解錠する手間が省ける」など、6割のユーザーが魅力に感じるとともに、クリーニング集配サービスについても「お店に行く時間を減らせる」など利用者全員が便利に感じている実態が浮かび上がったという。
LIXIL Housing Technology Japanの岩崎真也エクステリア事業部長は「これからのニューノーマルの時代で、いかに健康で快適、安全に過ごしていくかが問われる中、非対面で安心して受け取りができるIoT 宅配ボックスをはじめ、さまざまな商品やサービスを提案していく」とコメントしている。
IoT宅配ボックスの利用イメージ(LIXIL提供)
(藤原秀行)