1760パレット分の荷物保管可能な自動倉庫を初導入
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東洋製罐グループで物流事業を担う東洋メビウス(東京・西五反田)はこのほど、前橋市内の前橋物流センターで今年5月に完成した新たな倉庫棟をロジビズ・オンラインに公開した。
同社として初めて自動倉庫システムを導入するなど、従来以上に機械化・省人化と働きやすい環境の整備に配慮しているのが特徴。当社は今後、同センターで省人化のオペレーションのノウハウを蓄積し、全国のセンターに横展開していきたい考えだ。
同センターは北関東道の伊勢崎ICから約3キロメートルの工業団地内に位置し、既存倉庫棟は1991年に完成した。新倉庫棟は既存倉庫棟の隣にあった空き地を有効活用する形で建設。地上3階建て、延べ床面積は7458平方メートルで、東洋製罐の主要顧客の飲料メーカーなどの荷物を扱う。
最大の特徴は、1階の約1500平方メートルに高密度保管システム「シャトルランナー」を導入していることだ。約1760パレット分の荷物保管が可能で、シャトルがパレットを載せて所定の場所まで自走する仕組み。屋内の上部空間を最大限生かした効率的な保管ができる。
同システムを取り入れたことで、フォークリフトは積み降ろし口とラックの間を往復するシンプルなオペレーションとなるため、同社は業務負荷の軽減と庫内作業の安全性向上につながると期待している。
さらに、高天井用の人感LEDセンサーライトを天井に取り付けており、人などの動きを検知して自動消灯・点灯できるようにしている。庫内を湿度45%に保てる除湿器も導入した。結露防止や室温上昇防止のため、オーウイル社の大型ファンを最上階に設置、季節や室温に合わせて気流の向きを変え、年間を通して快適な環境を維持することが可能となっている。
多様な商品の保管ニーズに対応できるよう、1階は1平方メートル当たりの耐荷重を3・5トンと一般的な倉庫より強くしており、重量物でも受け入れられる設計としている。
また、新倉庫棟には自社トラックを5台配置しており、輸送と保管を一括で管理できるサービスに注力していく構えだ。
(藤原秀行)