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最先端技術導入し「魅力ある産業」へ転換を

最先端技術導入し「魅力ある産業」へ転換を

経団連が2030年に向け物流の大胆変革提言

 経団連はこのほど、「Society 5.0時代の物流―先端技術による変革とさらなる国際化への挑戦―」と題する提言を取りまとめた。

 人手不足など諸課題に直面している物流ネットワークの持続可能性を確保するため、IoT(モノのインターネット)などの最先端技術を積極的に導入し、サプライチェーン全体の効率化や労働環境改善を図るとのシナリオを提示。2030年の理想像として、物流業を「魅力ある産業」へ転換していくことなどを訴えた。

 経団連はIoTやビッグデータ、AI(人工知能)、ロボットなど革新技術を活用し、経済成長と社会的課題の解決を両立する「Society 5.0」の実現を提唱している。今回の提言は、日本経済を支えるインフラの物流を大胆に変えていくことで、Society 5.0を後押ししていきたいとの思いが込められている。今後、官民に提言内容の検討を働き掛けていく方針。

「人手を解放する物流」など5つの将来像を提示

 提言は、業務プロセスの見直し(BPR)と革新技術の積極的活用により、30年に向け物流を変えていく将来像として、

  1. 「つながる物流」=RFIDなどIoT関連技術の活用による情報共有化などを進め、サプライチェーン全体を調整・最適化する
  2. 「共同する物流」=荷主企業と物流事業者のニーズのマッチング、パレットやコンテナの共有化・共同利用などを進める
  3. 「人手を解放する物流」=自動走行車や自動運航船、ロボットなどで省人化・省力化を図る
  4. 「創造する物流」=顧客の潜在的なニーズを掘り起こし、生産や販売部門と連携して新たな価値を生み出す
  5. 「社会に貢献する物流」=電気自動車(EV)やLNG燃料船などによる環境負荷低減、ドローン(小型無人機)による災害情報の迅速な把握などを実現する

――ことを明示した。

 具体策として、政府が閣議決定した「総合物流施策大綱」を着実に進め、インフラの整備や関係者間での情報共有、制度設計、荷主と物流事業者の連携強化などを図ると説明。

 さらに、中小・零細が多いトラック事業者の集約・大規模化や輸送モードの自動化などを推し進め、女性やシニア層を含めた多くの人にとってさらに働きやすい物流現場を実現する。

 ブロックチェーン技術も用いて全ての貿易手続きをデジタル化することや、貨物の追跡が可能になる「サプライチェーン統合プラットフォーム」を確立することなども打ち出した。

「国際競争力高め、SDGsにも貢献を」と官民に奮起促す

 最後に、「世界の顧客を引き付ける重要な国際輸送ハブとしての機能を拡充させていくと同時に、わが国の特色ある物流サービスを世界に展開するのはもちろん、多くの新しいビジネスの発掘と育成も図っていく」と強調。

 「今こそSociety 5.0の実現を通じて、わが国の物流の魅力を高め、競争力を 強化し、ひいては国連の『持続可能な開発目標(SDGs)』の掲げる産業と技術革新の基盤づくり(目標9)や気候変動対策(目標13)などの達成に貢献していくことが求められる」と締めくくり、政府や物流業界、荷主企業など多様な関係者に奮起を促した。

(藤原秀行)


物流に関する提言の概要(経団連資料より)※クリックで拡大

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