賠償確定しても保険で対応、業務に影響なしと強調
アスクルが2017年に自社運営の物流施設「ASKUL Logi PARK首都圏」が全焼した火災をめぐり、出火で多大な損失を被ったとして古紙回収大手の宮崎(愛知県清須市)を相手取り、約101億6000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したことに関し、同社は8月12日、梅田慎吾社長名義で「現時点ではいまだ弊社に訴状が届いていない。本件は顧問弁護士に一任しているので詳細なコメントは差し控えさせていただきたい」との談話を発表した。
同社は談話の中で、アスクルは重要な取引先であり、誠心誠意対応していると強調。併せて、仮にアスクル側の賠償請求が認められた場合でも「確定判決後の損害賠償金額の全額を損害賠償保険で担保される保険に加入しているため、弊社に財務的、営業的損害が発生することは一切ない」と説明、訴訟が業務に影響する可能性を否定し、関係者に取引の継続を要請している。
アスクルは、同センターの端材置き場で使用済み段ボールなどを継続的に宮崎へ引き渡していたが、出火当日、宮崎の従業員がフォークリフトの不適切な使用などで火災を引き起こしたと指摘。宮崎と損害賠償の対応などについて協議を重ねてきたが、合意に至らなかったため訴訟に踏み切ったと発表していた。
(藤原秀行)