6割強が首都圏、コロナ禍でも開発続く
ロジビズ・オンラインが、主要な物流施設デベロッパー21社を対象に実施したアンケート調査の回答を集計した結果、2021年に各社が竣工を見込んでいるマルチテナント型物流施設はトータルで56棟、総延べ床面積が約443万2200平方メートルに達することが明らかになった。
物流不動産市場 主要プレーヤー21社の最新活動状況ー2020
新型コロナウイルスの感染拡大下でもeコマースの需要拡大などを背景として、各社の積極的な開発姿勢が続く見込みとなっていることが浮き上がった。ただ、テナント企業の中にはコロナ禍で経営環境が厳しさを増している業界もあるため、今後の開発計画に影響が出ることも予想される。
アンケートは今年8~9月にかけて実施。各社の回答を集計した。物流施設は他社と共同開発しているものも含めている。各施設の延べ床面積は詳細に回答している企業と概数で答えている企業に分かれているため、合計は四捨五入した概数で表示している。今後、竣工のタイミングや延べ床面積は変更となる可能性がある。
21年に完成するマルチテナント型物流施設があるデベロッパーは計16社に上った。このうち首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬の1都6県)は33棟で計約293万3000平方メートルに達している。総延べ床面積ベースで全体の6割強に相当する。10万平方メートルを超える大規模施設も9棟含まれ、大型物件のニーズが底堅いことをうかがわせた。
大和ハウス工業が11棟で最も多く、日本GLPが6棟、三菱地所と野村不動産が各3棟、三井不動産とESRが各2棟、プロロジスとラサール不動産投資顧問、グッドマンジャパン、東急不動産、シーアールイー(CRE)、第一生命保険が各1棟と多彩な顔ぶれになっている。
近畿圏(大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山の2府4県)も16棟、121万平方メートルが予定されている。首都圏と同じく、物流施設需要が高まっていることが追い風となっているようだ。プロロジスが最も多く3棟で、日本GLPと三菱地所、東急不動産が各2棟、三井不動産と住友商事、三井物産都市開発、ラサール不動産投資顧問、日本生命保険、CRE、SGリアルティが各1棟となっている。
一方、中部圏(愛知、岐阜、三重の3県)は現状では計画が見られなかった。
3大都市圏以外のエリアでは7棟、約28万9000平方メートル。このうち6棟は大和ハウス工業で、都市部に加えて地方エリアでも積極的な開発姿勢を維持していることを示した。残る1棟は三井不動産。
物流不動産市場 主要プレーヤー21社の最新活動状況ー2020
(藤原秀行)