11月に北海道で実証試験開始、20年代半ばに全国展開目指す
三菱商事とエア・ウォーターは10月27日、物流施設内のスペースに設置できるトラック向けの小型LNG(液化天然ガス)充填設備を共同で開発したと発表した。コンテナのような形状をしており、日本で初めて可搬型を実現した。
自家発電設備を備え、停電した際にもLNGを用いる大型トラックへの燃料充填を可能にした。世界初の試みという。さらに、排熱回収温水を循環利用し、寒冷地や湿度が高い地域で氷結するのを防ぐ。
両社は実用化に向け、北海道電力の協力を得て11月に北海道で実証試験を始める。いすゞ自動車とイタリア製の大型LNGトラック計3台を投入、うまく充填できるかなど機能を確認するとともに、トラック走行時のCO2排出量や燃料費の削減効果を見極める予定。
地球温暖化対策が幅広く求められている潮流を踏まえ、充填設備もより使い勝手の良いものを実現することで2020年代半ばをめどに同設備の設置と自動車用LNG供給を全国展開していきたい考え。
同設備は大型トラック1台分の駐車スペース(3・3メートル×12メートル)に収まる上、費用は従来型LNG充填所の半分以下、燃料充填時間は軽油と同等以下の1回当たり10分未満に抑制できるのがメリット。1日に最大60回の連続充填が可能となる見込みだ。
小型LNG充填設備と大型LNGトラック(両社プレスリリースより引用)※クリックで拡大
(藤原秀行)