国内初の「目視外飛行」、郵便局間9キロメートル結ぶ
日本郵便は11月7日、福島県でドローン(小型無人機)を活用した物流をスタートした。
県内の2つの郵便局間で荷物を運ぶ。操縦者が目で確認できない遠距離を、経路の途中に補助者を配置せずに飛ばす「目視外飛行」を定期的に行うのは国内で初めて。
物流現場の人手不足を踏まえ、山間部や過疎地の輸送効率化につなげるのが狙い。
飛行するのは同県の小高郵便局(相馬市)と浪江郵便局(浪江町)の間約9キロメートル。機体はドローン開発を手掛けているベンチャーの自律制御システム研究所(千葉市)のものを投入し、1日最大2往復する。
ドローンはGPS(全地球測位システム)を利用し、完全な自律飛行を行う。既存のトラック輸送より時間を短縮できるという。
政府はドローン物流を後押しするため、今年9月に規制を緩和し、一定の条件下でドローンの目視外飛行を容認した。日本郵便は19年3月までの間、定期的に輸送し、成果と課題を探る。
現在は同社内で使う書類やパンフレットなどを運んでいるが、今後は郵便物や小包の配送にも広げることを視野に入れている。
(藤原秀行)
ドローン輸送に投入している機体(日本郵便提供)