業務の大幅な効率化目指す、23年度にも実用化念頭
日本郵便は2月25日、オートロックマンション内の住戸など屋内への郵便物配達にロボットを活用する実証実験を千葉県内で今月下旬から3月下旬にかけて実施すると発表した。複数台のロボットを投入し、正確に郵便物を届けられるかどうかなどの点を確認、2023年度にも実用化することを念頭に置いている。
同種の実験は日本で初めてという。実験は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助を受けて実施。日立製作所や日立ビルシステム、アスラテックも協力する。ロボットは香港のRice Robotics(ライスロボティクス)が開発、アスラテックが販売を手掛けている自律走行型屋内配送ロボット「RICE(ライス)」を投入する。
ロボットは縦54センチメートル、横50センチメートル、高さ76センチメートル。エレベーターを操作して異なるフロアへ移動することが可能という。
オートロックマンションに配達する場合、現在は日本郵便の配達員が対象の住戸全てから事前に建物へ入る許可を得ており、手間が掛かっている。日本郵便はロボットが人間の代わりに配達することで業務を大幅に効率化できると見込む。
実験では配達員がロボットに郵便物を積み込むと、エントランスのドアを解錠して目的の部屋まで自動走行。届いた先の住民がロボットのディスプレーに暗唱番号を入力、扉を開けて郵便物を取り出すとの流れを想定している。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、非対面での宅配荷物受け取りを求める動きが広がっているのにも対応できると見込む。
日本郵便はロボットの実用化と併せて、大手マンションデベロッパーにロボット配達の利用を働き掛けていく見通し。
実験に投入するロボット「RICE」(日本郵便プレスリリースより引用)
(藤原秀行)