海外からの国内商業用不動産投資、1~9月は13%増の5930億円

海外からの国内商業用不動産投資、1~9月は13%増の5930億円

「大阪圏の大型オフィスビルや物流施設で特に顕著」・JLL調査確報

 JLL(ジョーンズ ラング ラサール)は11月19日、日本のオフィスビルなど商業用不動産への投資に関する調査結果の確報を公表した。今年1~9月の取引額は累計で前年同期比5%増の3兆937億円、第3四半期(7~9月)は10%増の8427億円となった。

 海外投資家が日本の物件に投資した額(インバウンド投資)は1~9月期で13%増の5930億円、不動産投資全体に占める割合は19%に上った。JLLは「特に大阪圏の大型オフィスビルや物流施設への投資が顕著だった」と指摘した。

 18年暦年に関しては、前年実績を5~10%上回る4・3兆~4・5兆円になると予測。需要が依然強く、投資対象が全国に広がっている傾向を考慮した。

兵庫・尼崎の大型物流施設は400億円以上で売買か

 セクター別に見ると、今年第3四半期の投資額全体に占めるシェアはオフィスビルと物流施設がともに35%となった。物流施設は大型の取引があったことがシェア拡大を後押ししており、国内外の投資家からの関心が依然高いことをうかがわせた。

 JLLが今年第3四半期の代表的な取引として紹介しているケースを見ると、ラサール インベストメント マネージメントが組成したSPC(特定目的会社)が9月、センターポイント・ディベロップメント(CPD)のSPCから取得した兵庫県尼崎市の大型物流施設「HUB AMAGASAKI」(その後「ロジポート尼崎」に改称)が筆頭に挙がっている。

 同施設はCPDがパナソニックグループの旧工場を改修した物件として不動産業界などの注目を集めてきた。取引の詳細はラサール、CPDともに開示していないが、JLLは取引額を400億円以上と指摘。同時期に日本GLPがリートのGLP投資法人に譲渡した「GLP大阪」(大阪市)の360億円を上回る大型取引となっている。

(藤原秀行)


「ロジポート尼崎」(ラサール不動産投資顧問提供)

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