「空飛ぶクルマ」に続き、次世代航空モビリティーの活用加速
兼松は4月21日、ドローン(無人飛行機)関連事業を手掛ける英Skyports(スカイポーツ)との業務提携を拡大する覚書を締結したと発表した。
両社は2020年、日本における「空飛ぶクルマ」の導入実現に向け、旅客と物流双方の観点から恒久的かつ持続可能な空飛ぶクルマの運航が可能となる環境構築へ協力するため提携。国内の官公庁、自治体、関連企業と協議を進め、市場調査を行ってきた結果、提携対象をドローン物流市場にも拡大することで合意した。
日本国内では、経済産業省と国土交通省が中心となり、2023年度をめどに「空飛ぶクルマ」のサービスを開始することを目指して「空の移動革命に向けた官民協議会」で制度設計などの議論が進められてきた。ドローンも22年度の「有人地帯での目視外飛行(レベル4)」の実現に向け、環境整備や技術開発が進んでいる。
スカイポーツは世界各地のエアタクシー運航事業者や旅客・物流用の空飛ぶクルマ開発企業と協力し、空飛ぶクルマ向け離着陸場の設計、設置、運営を担い、都市部や地方での安全かつ効率的な空飛ぶクルマの運航実現へ施策を推進。また、医療、電子商取引、物流の各市場で最先端の無人航空機システムのテクノロジーを活用し、“Delivery by Skyports”として物流部門によるドローンデリバリー事業にも取り組んでいる。
同社は英国ロンドンを拠点とし、欧州、北米、アジア、豪州、アフリカなど世界各地でプロジェクトを展開。投資家には、DeutscheBahnDigitalVenture、GroupeADP、IrelandiaAviation、LevitateCapitalなどが含まれる。
兼松はスカイポーツとの業務提携を軸に、商社の兼松が保有する多様なビジネスノウハウと経験、ネットワークを生かし、次世代航空モビリティーの空飛ぶクルマやドローンのバリューチェーン構築を目指すと説明している。
スカイポーツ ダンカン・ウォーカーCEO(最高経営責任者)のコメント
新たな市場、特に新興産業を開拓するに当たり存在感を発揮するためには、多くの専門知識に加え、当該国での規制や慣習を踏まえた取り組みが必要となります。エアモビリティー分野における世界的なプレゼンスを持つ弊社が兼松と提携することは、日本市場進出における大きな後押しとなります。兼松とは空飛ぶクルマの社会実装に向けた思いを共有しており、本協業は日本における空飛ぶクルマの商業運航に向けた重要なステップになると認識しております。
兼松 宮部佳也取締役専務執行役員車両・航空部門長のコメント
空飛ぶクルマの地上インフラ設備の構築およびドローン物流の分野で世界を牽引するスカイポーツ社との提携を拡大することができ、大変うれしく思います。弊社は空飛ぶクルマやドローン物流市場に大きな可能性があると期待しております。スカイポーツとの提携拡大により、航空業界のイノベーション、空の移動の大衆化、物流の発展に取り組み、人々の生活や地域の発展、モビリティー分野の環境対策においても貢献してまいります。
(ロジビズ・オンライン編集部)