貿易業務効率化のSTANDAGEと山九、新たに配送運賃などのデジタル通貨決済を開始

貿易業務効率化のSTANDAGEと山九、新たに配送運賃などのデジタル通貨決済を開始

安全性とスピード改善、アフリカ市場への日本製品進出を支援

貿易業務をインターネット上で処理、効率化することが可能なプラットフォームサービス「DiGiTRAD(デジトラッド)」を運営しているスタートアップ企業のSTANDAGE(スタンデージ、東京都港区芝)は5月19日、山九と連携し、新たに商品を輸出入した際、配送運賃などの物流関連費用をデジタル通貨で迅速に決済できるサービスを同日開始したと発表した。

STANDAGEと山九は資本・業務提携しており、両社が今年2月、ナイジェリアと日本の間の国際輸送に関し、山九向けに物流関連費用をデジタル通貨で決済する実証実験を計4回実施、支障なく手続きを完了することができたという。

STANDAGEは既に、DiGiTRADの一環として、特定のネットワークに参加している複数のコンピューター間でデータを迅速かつ安全に共有可能なブロックチェーン(BC)技術を活用し、BC上に設けた「デジタル金庫」上で商品の代金を安全かつスピーディーにやり取りできるサービスを展開している。

売り手と買い手、STANDAGEの3者がデジタル金庫の鍵を共有し、売り手と買い手の間で契約が成立した後、デジタル金庫にデジタル通貨で入金があったことと商品が確実に届いたことをそれぞれ確認できてから初めて金庫を開き、代金を売り手が回収できる仕組み。デジタル通貨は価格変動が小さいものを採用している。

デジタル金庫とデジタル通貨を使うことで、大手ネット決済サービスでも1日要するところを最短でわずか数分程度で完了できるなど利便性と安全性を劇的に改善しているのが特徴だ。STANDAGEと山九は今回、デジタル金庫の適用範囲を配送運賃などに拡大し、経済成長が見込まれるアフリカ市場向けに日本の製品輸出を促進していきたい考えだ。

将来は、配送運賃などの物流費用がデジタル金庫から自動的に引き落とされる「スマートコントラクト」を実現し、商品の売り手が代金とは別に発生する物流費用の支払いの手間を省くことも視野に入れている。



デジタル金庫活用の流れ(STANDAGE提供)

(藤原秀行)

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