棚卸し業務効率化を支援、21年度中にもソリューション提供開始目指す
パナソニックグループで情報システム開発などを手掛けるパナソニックシステムソリューションズジャパンは7月8日、東京都内の本社で、通信機能を持つ高精細なネットワークカメラを活用した「画像センシング技術」のデモンストレーションをメディアに公表した。
グループが得意とする先端技術を駆使して流通や物流、製造業の業務効率化を支援する「現場プロセスイノベーション」の一環。AIによる深層学習(ディープラーニング)技術と高度な画像処理技術を組み合わせ、倉庫に保管されている在庫の2次元コードをネットワークカメラが自動的に読み取り、棚卸し作業を迅速に完了できるシステムを公開した。
在庫の周辺4カ所に設置したネットワークカメラ4台が自動で旋回やズーム、広角撮影を繰り返し、在庫の高さや大きさ、向きを確認した上で2次元コードの場所を検知、暗い場所でも情報を読み取ることが可能。段ボール60箱の場合、庫内スタッフがバーコードリーダーを用いて読み取った場合より10分の1の時間で全ての2次元コードを読み取ったという。
デモも33個の段ボールに添付している2次元コードを1分弱程度で読み取った。2次元コードが汚れなどで読み取れなかった場合も、どの段ボールの2次元コードだったかを記録、システムのモニターに表示するため、速やかに再度読み取り作業を済ませることができる。
同社はRFIDタグに比べて、在庫の中身が金属などの場合でも迅速に読み取ることが可能な点などがメリットと説明。物流事業者やメーカーと2次元コード読み取りの実証実験を重ねており、2021年度中にもソリューションとして提供を開始したい考えだ。
同社は他の画像センシング技術活用事例として、特定のエリアがどの程度人で混雑しているかを読み取ることなどを紹介した。
画像センシング技術を使ったデモンストレーションの概要(パナソニックシステムソリューションズ資料より引用)
実際のデモンストレーションの様子
(藤原秀行)