125億円投資で最大8テナント入居可能に、22年12月竣工見込む
ESRは7月19日、福岡県朝倉市一木の大分自動車道と県道33号線の沿線で、新たにマルチテナント型物流施設「ESR福岡甘木ディストリビューションセンター(DC)」を開発すると発表した。同社としては九州地方で初の開発となる。
地上3階建て、延べ床面積は7万平方メートル(2万1175坪)を計画しており、今年11月着工、2022年12月の竣工を見込む。総投資額は約125億円で、発表ベースとしては全国で31件目の案件になる。耐震構造を採用し、スロープで2階までアクセス可能。最小賃貸区画は約1500坪と設定し、最大8テナントに分割できる設計にする。
新施設の完成イメージ(ESR提供)
県道33号線・県道8号線経由で大分自動車道の甘木ICから約1・7キロメートル(車で約4分)、大分自動車道と九州縦貫自動車道(九州自動車道)、長崎自動車道や国道3号など、九州の東西南北を結ぶ交通結節点で九州の物流の要所のJCTから約14km(車で約14分)に位置。九州全域への配送に強みを持つ。
JR博多駅や福岡空港、博多港まで車で40分圏内。陸路・空路・海路の輸送インフラにも近接し、食品配送、輸出入貨物、在庫拠点やeコマースまで幅広いニーズに対応できるとみている。
人材確保の施策として、隣接する土地を駐車場用地として取得し、敷地内と合わせ300台以上の駐車場を用意する。甘木鉄道・西日本鉄道の甘木駅とJR田主丸駅を結ぶ路線バスの最寄りのバス停から徒歩3分と公共交通機関を利用した通勤も可能にしている。
新施設の所在地(ESR提供)
1階は建物両面に、2階は中央車路を挟んで両側にトラックバースを配置。トラックバースには大型車が最大88台、4トントラックは最大128台が接車できるようにする。倉庫部分は2~3階をメゾネット仕様にして荷物用エレベーターと垂直搬送機による高い縦搬送能力を備える。
全館LED照明や環境配慮型照明システム、外壁には断熱性能の高いサンドイッチパネル、ヒートポンプ式空調、節水型衛生器具の採用など環境負荷低減に配慮した建築計画を推進。CASBEEAランク評価を取得予定。従前より敷地内に設置されている井戸から緑地散水を行うなど、地域の豊富な地下水の有効活用にも取り組む。
基本理念「HUMAN CENTRIC DESIGN.(人を中心に考えたデザイン)」に基づき、施設利用者のための休憩室などを完備する。
(藤原秀行)