ダイムラートラックグループの方針に追随、ポルトガルは22年実現見込む
三菱ふそうトラック・バスは7月19日、全工場のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)化に挑戦すると発表した。
同社が属するダイムラートラックグループが全世界の製造拠点をカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)にするとの目標を設定したのに追随。ポルトガルに所在する三菱ふそうの連結子会社三菱ふそうトラック・ヨーロッパのトラマガル工場は、2022年までにカーボンニュートラルを実現する見込み。
トラマガル工場は、ふそうの小型トラック「キャンター」と電気小型トラック「eCanter」の、欧州における生産の中心。再生可能エネルギー由来の「グリーン電力」使用、工場内での太陽光発電量の増強と自家消費への切り替え、構内輸送と倉庫車両の全てを電動車両に交換
を進めるとともに、太陽光パネル使用によるグリーン水素生産も検討する。
近年、同工場はCO2排出量を段階的に減らしており、2022年のカーボンニュートラル生産の達成を前に、21年には前年比50%のCO2排出量削減を達成する見通し。
ポルトガル・トラマガル工場
日本国内の工場は39年までのカーボンニュートラル化を目標としており、神奈川の川崎、中津の両工場は15年比でCO2排出量を17%削減した。
新たに策定した川崎製作所の計画には、主に以下の取り組みを盛り込んでいる。
1.省エネルギー:エネルギー需要の削減やエネルギー効率の良い設備機器の導入により、生産におけるエネルギー消費を削減
2.再生可能エネルギーの生成:再生可能エネルギーの自家生成により、CO2排出量を削減 ・2013・14年に、川崎製作所の建屋屋上に太陽光発電設備を設置
・さらなる太陽光発電設備の設置を計画中
・水素など他のエネルギー源の統合を検討
・グリーンエネルギーの購入とCO2排出係数の低減:電力会社との協力
3.CO2オフセット制度の活用
川崎製作所
ダイムラートラックグループは製造拠点にとどまらず、「日本、北米、欧州で39年までに全ての新車をカーボンニュートラルで走行する(“tank-to-wheel”)車両とする」との目標を掲げており、達成へ2方向の戦略を採用。
同グループは22年までに、日本、米国、欧州の主要な販売地域でバッテリー駆動の量産車両を製品ポートフォリオに加える目標を掲げ、開発を進めている。また、27年以降は水素で駆動する燃料電池車両の量産モデルを加える方針。
上記の製品に関する目標に加えて、生産プロセスなどバリューチェーンの他の側面でサステナビリティ確立にも取り組んでおり、欧州のダイムラートラックグループの全工場は22年までにカーボンニュートラルを達成する予定。
(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)