世界で最も製造業に適した立地、中国が評価ポイント4項目のいずれも首位に

世界で最も製造業に適した立地、中国が評価ポイント4項目のいずれも首位に

米C&W調査、コロナ禍からの回復早く他の諸国補う

米不動産総合サービス大手のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドは8月25日、グローバルに事業展開している製造業にとって最も適した立地がどこかを評価した独自のリポート「2021年グローバル製造業リスクインデックス(MRI)」を公表した。

アジア・太平洋や欧米の主要47カ国の中で、中国が厳しい状況からの再開能力を示す「持ち直し力」など、各種経済統計を基に評価したポイントの4項目全てでトップとなった。欧米の製造業が新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンの影響を受ける中、中国がその穴埋め役を果たしたことなどが追い風になり、存在感を高めているようだ。

4項目のうち、「持ち直し力」は中国が20年の7位から1位に上昇。2位はアイルランド(前年32位)、3位はオランダ(同8位)などと続いた。

製造拠点展開の条件を比較した「ベースラインシナリオ」は中国が20年から1位を堅持。2位はインド(20年3位)、3位は米国(同2位)だった。「コストシナリオ」も中国が20年と同様に1位をキープ。2位はインドネシア(20年5位)、3位はインド(20年も3位)だった。

リスクの度合いを見る「リスクシナリオ」は中国が20年の5位から1位へ上昇。早期のロックダウンで製造業が他の諸国より早く回復したことがプラスになったようだ。2位はカナダ(20年1位)、3位は米国(同2位)だった。

C&Wヘッド・オブ・ジャパン・デスク、ディレクターの高山裕之氏は「世界中の物流に大きなブレーキをかけたコロナ禍の製造業への影響は過去に例を見ないものだった。早めに復調した中国は、稼働がまだ十分でない地域の製造を補う形となり、経済復活スピードをさらに後押ししている」と分析している。

(藤原秀行)

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