内航海運の「脱炭素」へ省エネ性能高めた船舶開発など提言

内航海運の「脱炭素」へ省エネ性能高めた船舶開発など提言

国交省の検討会が中間とりまとめ、30年以降は水素やアンモニアの燃料船想定

国土交通省は8月30日、「内航カーボンニュートラル推進に向けた検討会」の中間とりまとめを公表した。

政府が目標に掲げている「2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)」達成に受け、内航海運領域で低炭素化・脱炭素化を推進する重要性を確認。具体策として、現状より一段と省エネ性能を高めた船舶の開発、荷役・離着桟設備の自動化や電動化などを進めるよう提言した。

併せて、船舶の燃費性能や運航時のCO2排出量に関する適正な評価の在り方も検討、CO2排出量の「見える化」で荷主企業や船主らに省エネの取り組みを促すことも訴えた。

今後のロードマップ(工程表)としては、30年までは荷主ら関係者が連携して省エネを加速する「連携型省エネ船」が中心になると想定。30年以降はバイオ燃料への切り替えや、燃料に水素やアンモニアを使い温室効果ガス排出を抑える「ゼロエミッション船」の導入が進むとのシナリオを描いている。

同検討会は今年4月から計4回開催、中間とりまとめに向け議論を続けてきた。中間とりまとめは内航海運のCO2排出量が19年度は約1038万トンで、近年は微減の傾向にあり、30年度には13年度に比べて約15%排出量を減らす目標を設定していることに言及。内航海運領域でさらに省エネ・CO2抑制の対策を加速させる必要性を強調している。

(藤原秀行)

中間とりまとめはコチラから(国交省ホームページ、一番下)

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