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【独自取材】GreyOrange・コーリCEO、企業や現場の規模問わず物流ロボット提供と強調

【独自取材】GreyOrange・コーリCEO、企業や現場の規模問わず物流ロボット提供と強調

日本市場重視を明言、新モデルは導入容易な「RaaS」活用に意欲

インド発祥の米ロボットベンチャーGreyOrange(グレイオレンジ)のサマイ・コーリCEO(最高経営責任者)は9月30日、三菱商事と共同で開催したオンラインセミナーの後、ロジビズ・オンラインの単独インタビューに応じた。

コーリCEOは、日本に関し戦略的に重要な市場と位置付けていることを強調。三菱商事と協力して展開している、物流ロボットを台数に応じて月額の従量課金制で貸し出すことで導入のハードルを下げ、効率的な運用を後押しする「Robot As A Service(RaaS)」サービスを通じ、企業の規模や物流現場の規模を問わず、さまざまなロボットを提供して業務自動化・省人化を支えていきたいとの意向を示した。

また、商品の保管棚を持ち上げて倉庫のピッキング作業担当者の元へ運ぶ自動搬送ロボット「Ranger(レンジャー)GTP」(旧名Butler=バトラー=)の最新モデル「Ranger GTP3・0」を日本で積極的に提供していくことに関連し、保管効率の改善などの効果が見込めるとアピール。三菱商事とのRaaSで最新モデルを提案していくことにも強い意欲を見せた。


コーリCEO(GreyOrangeウェブサイトより引用)


日本梱包運輸倉庫の「鈴鹿センター営業所」(三重県鈴鹿市)に導入したRangerGTP(三菱商事提供)

「今すぐソリューションが欲しい」に変化

GreyOrangeは2011年にインドで設立。19年に米国へ本社を移し、現在は米国とインド、日本、英国、ドイツの5カ国に拠点を展開している。「Ranger GTP」のほか、パレット搬送ロボット「Ranger IL」、小口仕分けロボット「Ranger MoveSmart」、ケース搬送ロボット「Ranger TTP」なども取り扱っている。日本を含む世界16カ国で事業を展開、これまでにグローバルで80拠点以上が同社のロボットを利用している。

コーリCEOは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、事業環境が大きく変わったと指摘。「業務自動化のソリューションを導入しようとする企業の数がかなり増えている。従来は2~3年程度のスパンでロボット導入を考えていたのが、今すぐ欲しいというようになってきている」と説明した。

その背景として、コロナ禍を受けてeコマースの利用が各国で伸びていることに加え、小売業などの間でサプライチェーンを環境変化に合わせて変革していくことの重要性に関する認識が広がっていることも大きいと分析。「日本はまさにその2点が当てはまる。当社にとって引き続き、トップ3の1つの重要な市場に位置付けている」と語った。

ロボットの提供方針については「例えば1カ所で700台欲しいと言われればもちろん対応するが、日本を含むグローバルの方針として、より多くのお客様に使っていただくことに重きを置いている。RaaSという提供形態のコンセプトも新しいので、なるべく多くのお客様に使っていただき、事業の成長に伴って大きく拡大していっていただければいいと思っている」と解説。大規模な工場や物流施設だけでなく、中堅企業などでも事業規模に応じてまず少数でスタートし、成長とともに利用台数を増やすことに対応していく姿勢をアピールした。

その上で、「三菱商事とは非常に重要なパートナーシップを組ませていただいた。RaaSの戦略についても一緒に取り組んできたところもあるので、大変重要な役割を担われている。今後の展開に関しても非常に楽しみにしている」と述べ、RaaSによるGreyOrangeのロボット普及加速に大きな期待を寄せた。

新モデルのRanger GTP3・0に関しては、利用する企業にとってはトータルの運用コストが低減できることや、ロボットの厚みを薄くしたことで棚により多くの商品を収められるようになり保管効率を高められることなどがアドバンテージになるとPR。「RaaSに対応できるように作られているので、アップグレードも可能。単なる新製品ではなく、当社がロボットを提供してきた3~4年分で得た学びの内容を全て反映させた」と強い自信を見せた。


新モデルの「Ranger GTP3・0」(オンラインセミナーのGreyOrange資料をキャプチャー)

ロボットのラインアップは今後も増やしていくことに意欲を見せるとともに「当社として3つの基準があり、1つは安全性と信頼性、2つ目は(同社が提供しているロボット管理ソフトウエアの)『GreyMatter(グレイマター)』との連携がきちんとできているということ、そして3つ目が実用的で(導入する顧客の)事業上のKPI(重要業績評価指数)をきちんと達成できるようなロボットということだ」と語った。

コーリCEOはインタビューに先立って参加したオンラインセミナーで、eコマースの少量多品種で迅速な配送のニーズに対応するために欧米で採用が広がっている、消費者に近接した場所に小規模の物流施設を構え入出荷業務などにロボットを活用した「マイクロフルフィルメントセンター」を使った物流オペレーションを日本でも提案していきたいとの意向を見せた。

(藤原秀行)

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