国家プロジェクトに参画、将来の需要増に対応
テラドローンは10月13日、グループ会社でベルギーに本拠を置き、ドローンの交通管制システムを手掛けるUnifly(ユニフライ)が、ドイツ滑空機研究所(DFS)と子会社のドロニクがドローン商用化に向けてドイツ・ハンブルグ港で9月中旬に開始した安全性検証の実験で、ドローンなど無人航空機の運航管理システム「UTM」の技術提供を行ったと発表した。
ドイツは国家プロジェクトとして、ドローンの商用利用促進に向けた実証実験を展開。今回の実験は有人機のヘリコプターや飛行機などが飛び交うドイツの空域を管理するDFSと、DFSおよびドイチェテレコムの合弁会社でドローン追跡プラットフォームを展開するドロニクが主導、連邦交通デジタルインフラ省(BMVI)からも資金提供を受けるなど、国を挙げて推進している取り組み。
2023年1月から適用される欧州規則に対応するため、ドローンの飛行領域確立に必須となるテスト飛行を実施していく予定。ドローンの無人飛行の安全性を確認する今回の実証実験では、より実際の利用シーンに近い状況下での飛行実験も計画している。一連の飛行実験では、飛行中ドローンのリアルタイム映像を基にした緊急時の運航シナリオも検証する。
ユニフライはUTMを開発し、欧米5カ国で導入実績を重ねている。DFSも同社の高い技術力を評価し筆頭株主を務めている。ドイツのドローン市場拡大に向けた大きな一歩になるとみられる今回の実証実験に参加し、欧州でのドローン需要拡大に備える。
(藤原秀行)※ロゴマークはテラドローン提供