ILOとIMOが共同声明で要請
国際労働機関(ILO)と国際海事機関(IMO)は10月6日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、コロナ禍対策として船員が医療を受けるのを制限するのは「生死に関わる問題」と指摘、船員に医療を受けさせることやワクチン接種の優先対象に含めることなどを各国に求める共同声明を発表した。
声明はガイ・ライダーILO事務局長と林基澤(イム・ギテク)IMO事務局長の名義で公表。「船員はいまだに必要な時に医療を受けるのに苦労している」と強調した上で、各国に対し、船員が遅延なく陸上で医療を受けられるようにするとともに、医師や歯科医師が船舶を訪れることを許可するよう要請している。
併せて、「過去18カ月にわたり、コロナ禍の中でグローバルサプライチェーンを維持し、しばしば巨大な個人的困難に直面しつつも働き続けている人々を支える最大限の努力」を取るよう、国際社会に訴えている。
ILOが2006年に採択した、船員の労働条件などを定めた海上労働条約は、自国の領域内の船上で働く船員が緊急医療を必要とする場合、歯科診療を含め、陸上の医療施設を利用できるよう確保することを加盟国に求めている。
(藤原秀行)