コロナの緊急事態宣言全面解除で人出回復がプラスに
帝国データバンク(TDB)が11月4日発表した10月の景気動向調査結果によると、景況感を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が37・1で、9月の前回調査から1・3ポイント上昇した。前月から改善したのは今年7月以来、3カ月ぶり。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って政府が発令していた緊急事態宣言が10月1日、全面的に解除となり、街に人出が戻ってきたことなどが景況感の改善につながったようだ。
全業種ベースの景気DIも9月から1・6ポイント上昇し41・5で、2カ月続けて改善。今年7月以来、3カ月ぶりに40台を回復した。10業界の全てで景況感が改善。特にサービスや小売りなど個人消費に関連の深い業界で好転が目立った。
TDBは今後について「経済活動の正常化への動きが見込まれる中、回復傾向で推移するとみられる」と展望した。
運輸・倉庫業のコメントでは、先行きに対し「新型コロナウイルスの感染再拡大の懸念もあるが、ワクチン対策は進化すると想定し、貨物取扱量も順調に増えていくと予想する」(港湾運送)と前向きな見方が聞かれた。半面、「軽油価格の高騰が当面続くと予想」(一般貨物自動車運送)との声もあった。
調査は10月18~31日にインターネット経由で実施、全国の1万1332社が有効回答を寄せた。回答率は47・1%。運輸・倉庫業は541社が調査に参加した。
(藤原秀行)