MonotaRO・鈴木社長、兵庫・猪名川のプロロジス施設に開設の新拠点で「ほぼ歩行せずに済むセンター」目指す

MonotaRO・鈴木社長、兵庫・猪名川のプロロジス施設に開設の新拠点で「ほぼ歩行せずに済むセンター」目指す

GTPタイプのロボット800台超や自動倉庫など導入、出荷能力を既存拠点の3倍へ

工具などの通販大手MonotaRO(モノタロウ)の鈴木雅哉社長は11月26日、兵庫県猪名川町で竣工したプロロジス開発の物流施設「プロロジスパーク猪名川1」の完成記念式典であいさつした。MonotaROは「猪名川1」のフロア全体約9割を利用する予定。

鈴木社長はインターネット通販の利用増を受け、大規模な物流拠点を構えて商品の取り扱い点数と出荷能力を大幅に拡充する計画を説明。AGV(自律搬送ロボット)など自動化機器を積極的に取り入れ、「従業員がほぼ歩行せずに済む物流施設」を目指す考えを示した。


式典であいさつする鈴木社長

東西で計大型3拠点体制に

鈴木社長は「猪名川1」で来年4月をめどに新たな拠点「猪名川ディストリビューションセンター(DC)」の運用を始め、トータルで2年程度をかけて本格稼働させる方針を表明。商品を納めた棚を持ち上げ、入出荷エリアの従業員の下まで運ぶGTP(Goods to Person)タイプのAGVを800台以上取り入れるほか、ベルトコンベアーや自動倉庫も取り入れる意向を示した。投資額は約160億円を予定しているという。

自動化・省力化により、23年4月の本格稼働後は1日当たり18万行の出荷能力を実現し、在庫能力をトータルで50万~60万点程度まで高めることを想定していると解説。現在、兵庫県尼崎市に構えている西日本の基幹拠点「尼崎ディストリビューションセンター(DC)」の1日当たり出荷能力8万行の3倍に高める意向を示した。

さらに、尼崎DCは作業スタッフが1日当たり、ピッキング作業などのためトータルで15キロメートルほど庫内を歩いているが「猪名川DCはほぼ歩行がなく、生産性が非常に高いセンターを目指す」と強調した。

鈴木社長は式典の後、「猪名川1」内で記者会見に臨み、プロロジスの施設を選んだ背景として、18年の大阪北部地震で尼崎DCも棚から商品が落下するなどの被害を受けた経験に言及。「万が一の大きな災害の際にもオペレーションを止めないことがわれわれにとって一番の優先事項。何とか免震で建設してほしいとプロロジスさんにお願いさせていただき、こちらのセンターに決定した」と述べた。

尼崎など複数の既存拠点を「猪名川1」に集約することで、拠点の面積が現在の尼崎センターなど現行規模から2倍程度に広がり、出荷能力増強につながると期待を表明。茨城県内に2カ所設けている東日本の主要拠点と猪名川DCの計3拠点体制を確立することを明らかにした。猪名川DCは本格稼働後、延べ1000人程度の雇用創出を見込んでいる。


会見に臨む鈴木社長(右)。左はプロロジス・山田御酒社長

(藤原秀行)

物流施設/不動産カテゴリの最新記事