金属有機構造体生かした新機能材料開発
商船三井グループでスタートアップ投資を手掛けるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)のMOL PLUSは12月6日、MOF(Metal-Organic Frameworks=金属有機構造体)を活用した新機能材料を開発するAtomis(アトミス)に出資すると発表した。具体的な出資額は開示していない。
京都大学で世界に先駆けて見出されたMOFは、多孔性配位高分子(PCP)とも呼ばれ、微細で均一なサイズの孔が無数に空いている物質。MOF1グラムにサッカーコート1面分もの表面積がある。金属イオンと有機配位子の組み合わせで孔の大きさや性質を自由に操作できる上、ガスや低分子化合物を特異的に吸着させ、分離・合成・触媒・イオン伝導・電気伝導・ドラッグデリバリーなどの様々な機能を付加することが可能。
特徴を活用し、これまでよりも軽量・低圧で物質を貯蔵したり、CO2の分離・変換に活用したりするなど、環境エネルギー領域をはじめとする幅広い産業に活用できる材料として期待されている。
MOL PLUSはAtomisが社会実装を目指す「環境事業(CO2分離変換)」「エネルギー事業(次世代高圧ガス容器CubiTan)」での事業成長に期待。商船三井グループとの業務提携についても積極的に推進する方針だ。
今回の出資に際しては、商船三井テクノトレードと“船舶などの輸送モードでの水素の活用、船舶向け水素サプライチェーン構築におけるMOFの活用に関する共同検討”を行うことでも合意した。
(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)