豊田通商などと連携、ゼロエミッション目指す
日野自動車と米国子会社の日野モータース マニュファクチュアリング U.S.A.(ミシガン州ノバイ、米国日野製造)は12月21日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の水素社会構築技術開発事業の公募に関し、「北米LA港における港湾水素モデルの事業化に向けた実証事業」が採択されたと発表した。
米カリフォルニア州のロサンゼルス港(LA港)で地産地消型クリーン水素モデルの実装実証事業を実施する。豊田通商、Toyota Tsusho America, Inc.、三井E&Sマシナリー、PACECO CORP.の4社と共同で2022年2月から2026年3月にかけて段階的に進める予定。
LA港と隣接するロングビーチ港(LB港)はディーゼル機材の使用による大気汚染が長年問題となっているため、港湾荷役機械や港湾を起点にコンテナ輸送を行うトラックなどをゼロエミッション(温室効果ガスの排出実質ゼロ)化する計画が打ち出されている。
LA港・LB港は全米随一のコンテナ取扱量を誇り、太平洋側の海上貿易における重要拠点。コンテナ取扱量を維持しながらゼロエミッション化を目指すため、長時間の稼働と短時間の燃料供給が可能な水素燃料電池モデルがディーゼル機材の代替として有望視されている。
日野自動車などは港湾荷役機械とトラックの水素燃料電池化、港湾に特化した地産地消型クリーン水素モデルの構築に向け、実使用環境下での継続的な実証実験を通じて、技術・運用面、環境面、事業面の検証を共同で展開する。
日野と米国日野製造は燃料電池トラック(FCトラック)の製作・運用・分析を担当。米国日野製造と日野の米国販売子会社、日野モータース セールス U.S.A.、トヨタ自動車の北米事業体Toyota Motor North America, Inc.が共同で開発しているFC大型トラックを採用し、実使用環境下における本格的な走行を通じて運行データを蓄積・分析。現行のディーゼル車両と比較した安全性や運行のパフォーマンスなどを分析する。
実証事業が目指す姿のイメージ
実証実験で使用するFC大型トラックのイメージ(いずれも日野自動車ウェブサイトより引用)
(藤原秀行)