【現地取材、動画】都市部でのドローン活用実験を公開、中野サンプラザから区役所まで飛行も

【現地取材、動画】都市部でのドローン活用実験を公開、中野サンプラザから区役所まで飛行も

中野区と建築研究所、日本建築ドローン協会、JUIDAが高層建物の外壁調査などへの投入想定

東京都中野区と国立研究開発法人建築研究所、日本建築ドローン協会(JADA)、日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は1月17日、都市部でのドローン活用促進のための実証実験をメディアに公開した。

コンサート会場などとして有名な同区内の複合施設「中野サンプラザ」を使い、屋上と地上の2カ所を結んで斜めに張ったワイヤーで係留し、離れた場所へ飛んでいかないようにしたドローンが高層建物の外壁の状態をカメラで撮影、ひび割れの有無などを安全かつ迅速に調査できるかどうかを確認した。実験には西武建設が協力した。


ワイヤーで係留したドローンが飛行

併せて、中野サンプラザの屋上から、道路を挟んで隣接する中野区役所の屋上まで、ドローンが高低差約60メートル、距離約120メートルを飛行、着陸する実験も実施。ドローンが都市部の上空を飛行中にトラブルが発生した場合、比較的人が少ない屋上などへ緊急着陸し、事故を回避できるかどうか可能性を探った。いずれの実験も無事に目的を果たして終了した。


区役所の屋上に着陸したドローン。背後に新宿副都心の超高層ビル群が見える

4者は2021年5月、ドローンを活用した共同研究の相互協力に関する覚書を締結しており、今回の実験もその一環。

政府は21年9月、航空法の施行規則を改正し、人口密集地の上空や夜間にドローンを飛ばす場合、十分な強度を持つワイヤーで係留するなどの条件を満たせば事前の許可・承認の申請を不要とした。4者は係留の設備を使うことで、都市部で建築物の外壁確認などにドローンを使えるようになり、人手不足を補うことも可能になると期待。今後も実証実験などを展開する計画だ。

政府が2022年度中をめどに人口密集地でドローンが目視外飛行する「レベル4」を解禁する準備を進めていることもにらみ、都市部での災害発生時の救援物資輸送などにも用途を拡大することを視野に入れている。

(藤原秀行)

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