福岡圏のマルチテナント型物流施設、2年半にわたり四半期ごとに空室ゼロ続く

福岡圏のマルチテナント型物流施設、2年半にわたり四半期ごとに空室ゼロ続く

CBRE調査、実質賃料は上昇

シービーアールイー(CBRE)が1月31日公表した2021年10~12月期の大規模マルチテナント型物流施設の賃貸市場動向に関する調査結果によると、福岡圏の平均空室率は0.0%だった。

19年第2四半期(4~6月)以降、調査のデータ上は2年半にわたり、四半期ごとに全く空室がない状態が続いている。仮にテナント企業が退出しても、すぐに後継が決まっていることになる。

22年の第2四半期に竣工予定の3棟は全て100%内定しており、その後に完成予定の物件もリーシングが進展しているという。

CBREは「空室不足が解消されていないため、テナント企業は竣工前のかなり早い段階から検討を始める傾向が見られる」と指摘。旺盛な需要の影響で1坪当たりの実質賃料は前期から0.6%上昇し3250円となった。

福岡圏の調査対象は、福岡と佐賀の両県を中心とする延べ床面積5000坪以上の24棟。

他の地方では、大型供給が18年以来途絶えていた仙台市周辺で22年と23年にそれぞれ2棟ずつ建設計画が進められ、22年の2棟は複数のテナントが内定済みとなるほか、札幌市でも開発計画が進行中。

CBREは「首都圏では用地取得競争が激しいため、地方マーケットの開拓へ目を向けるデベロッパーが増えている」と説明している。

(藤原秀行)

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