ENEOSHDとZMP、エニキャリの実証実験、利用者から「雨天時でも頼みやすい」の声
ENEOSホールディングス(HD)とZMP、エニキャリは2月7日、東京都中央区佃・月島・勝どきエリアで2月28日までの予定で実施している、自動宅配ロボットを活用したデリバリー事業の実証実験に関するメディア向け説明会をオンラインで開催した。
3社の担当者は、2月1日の実験開始から3日間で利用者の9割超が再びロボット宅配を使いたいと答えるなど、好評を得ていると強調。2022年度中に事業化できるかどうかニーズを見極めたいとの意向を示した。
また、将来のデリバリー事業の展望として、国内でENEOSグループが展開している約1万3000カ所のSS(サービスステーション)などのアセットを、ロボットの駐機スペースなどラストワンマイル配送拠点として使い、商品や距離、時間に応じてロボットやドローン、自転車など最適な手段を選び、利用者へ効率良く配送する姿を明らかにした。
説明会にはENEOSHD未来事業推進部の六代玲子事業推進3グループマネージャーと片山裕太氏、ZMPロボライフ事業部の池田慈氏、エニキャリ業務推進本部の境潤也氏が参加した。
実験の様子
今回の実験はZMPの自動宅配ロボット「デリロ(DeliRo)」2台を駆使し、2カ所の設置拠点に配備。配送可能エリア内で多くのパートナー事業者・配送先が参加し、遠隔監視で公道上を走行、デリバリーする。特定の事業者に絞らず、様々な事業者が利用できるデリバリーサービスを展開するのが目標だ。
片山氏らは、2月1~3日の3日間で注文が計96件に上り、弁当を中心に食材や日用品など幅広い内容だったと解説。アンケートで最も良かった点を実験参加者に聞いたところ、「ロボットに会えた」が53.8%で最も多く、次いで「他のデリバリーサービスにない商品が並んでいる」が23.1%、「非接触・非対面で受け取ることができるので安心だった」が11.5%などとなった。
今後については、引き続きロボット宅配サービスを利用したいと「思う」と答えた割合が95.3%で、「思わない」を圧倒した。今後取り扱ってほしい店舗としては(複数回答可)、「ベーカリー」が65.1%、「ドラッグストア」が53.5%、「スイーツ」が37.2%などと並んだ。
利用者の声としては「利用したことがなかった近所のお店を使うきっかけにもなった」「人間だと雨天時に頼むのはドライバーに悪いかと思ってしまうが、ロボットだと心理的に頼みやすいというメリットがあると思う。実用化に期待する」などと歓迎する向きが多かった。
一方、「ロボットがどこまで来てくれるのか(部屋の前なのか、マンションの下なのか)、事前に分かるとよいのではないか」と注文する向きも見られたという。
実験の様子(いずれも各社提供)
(藤原秀行)