福島など5県対象、各界の意見聴取の上正式判断
農林水産省は2月8日、台湾当局が2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故を受け実施している日本産食品の輸入規制措置に関し、緩和策を取りまとめたと発表した。
農水省によると、現在は酒類以外の輸入を停止している福島、茨城、栃木、群馬、千葉5県の産品に関し、台湾当局はきのこ類や野生鳥獣肉などを除き、放射性物質検査報告書と産地証明書の添付を条件に、台湾向けの輸出を可能にする案を策定した。台湾当局は今後10日間、各界の意見を集めた上で、正式に判断する見通し。
農水省によれば、原発事故の後、世界で55カ国・地域が同様の輸入規制を設けたが、現在は14まで減少している。
21年の台湾向け輸出額は1245億円で日本産農林水産物・食品の輸出先国・地域としては第4位の規模。政府は農林水産物・食品の輸出額を25年に2兆円、30年に5兆円まで増加させる目標を掲げており、台湾の動きは追い風になりそうだ。
(藤原秀行)