グループ4工場も閉鎖など発表、需要構造変化受け業務効率改善図る
アサヒグループホールディングス(GHD)は2月15日、傘下のアサヒビールが兵庫県西宮市に構えている「西宮東配送センター」の業務を、2024年末をめどに終えると発表した。
同敷地にあるグループのニッカウヰスキー西宮工場も24年3月をめどに操業を終了し、飲食店向けの樽詰めサワー生産を大阪府吹田市のアサヒビール吹田工場に移管する。配送センターと工場の跡地活用は未定。
併せて、アサヒビールの神奈川(神奈川県南足柄市)、四国(愛媛県西条市)、博多(福岡市)の3工場もそれぞれ操業を順次ストップする。神奈川と四国は23年1月末、博多は25年末に操業停止する予定。このうち博多工場は近隣へ移転、26年から新九州工場(仮称)として新たに操業を始める。
新工場はアサヒグループの次世代生産体制のモデル工場と位置付け、製造方法の刷新などでエネルギー使用量を従来比半減させることを目標とする。CO2回収技術も導入するなどしてCO2吸収量が排出量を上回る「カーボンネガティブ」の早期実現を目指す。
さらに、ビール類・ノンアルコールビールテイスト飲料・RTD・アサヒ飲料製品などグループの多様な製品や容器の製造を担い、物流効率化と工場の操業度向上を図る。
ビールの需要減やノンアルコール飲料の販売増など環境変化を踏まえ、生産・物流体制を変革するのが狙い。
神奈川、四国の両工場閉鎖に伴い、アサヒGHDは22年12月期に固定資産の減損などによる「その他の営業費用」として約145億円を計上する予定。
(藤原秀行)