電子装置の調整時間を最大50%、コストは80%削減可能と見込む
英国でAI開発を手掛けるスタートアップ企業のSecondmind(セカンドマインド)は2月3日、マツダが次世代エンジン「SkyActive(スカイアクティブ)」の開発に、セカンドマインドの機械学習技術を採用したと発表した。
日本の自動車メーカーがセカンドマインドの機械学習技術を取り入れるのは初めて。
マツダはエンジンを制御する電子装置ECU(Electronic Control Unit)に関し、燃料の噴射量や点火のタイミングなどを最適化するキャリブレーションの過程でセカンドマインドの技術を使い、より迅速かつ低コストで最適値を見つけ出せるようにする。
排ガス規制の強化や脱炭素化など環境意識の高まりで、キャリブレーションの際に考慮すべきパラメーター(変数)が増え、作業が複雑化しているため、マツダはセカンドマインドの先進技術を駆使し、より効率的に開発できるようにしたい考えだ。
セカンドマインドは、自動車のエンジンのキャリブレーションの時間を最大50%、データ取得や処理のコストを最大80%減らせると見込む。開発過程で製造する試作車(プロトタイプ)の数も最大40%削減できる可能性があるという。今後は同社の日本法人がマツダ以外の自動車メーカーにも機械学習技術の採用を働き掛けていく構え。
セカンドマインドは2016年設立。20年12月には横浜市に日本法人を立ち上げた。
(藤原秀行)